消化器– category –
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下血と血便の違い
まず吐血と下血の違い 消化管での出血は口か肛門のどちらかの出口から排出されることになるが、胃より口側の出血は口から出るので【吐血】となり十二指腸よりも肛門側での出血の場合は肛門から出るので【下血】と分類されている。 下血と血便の区別 ... -
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鎖肛の分類〜PC線、I線、M線について
鎖肛とは発生段階に異常が生じ、肛門や直腸が閉鎖してしまう先天性疾患である。 鎖肛は排便の機能を持つ恥骨直腸筋と直腸の盲端の位置関係により3つのタイプに分けられる。 低位型:直腸の盲端が恥骨直腸筋の下にあるタイプ (直腸盲端がI lineよりも肛... -
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高位前方切除術と低位前方切除術の違い
直腸は部位によってRs,Ra,Rbに分けられている。 Rs:岬角〜第2仙椎下縁までの範囲。直腸S状部のこと。腸間膜がある領域であるので厳密にはS状結腸に含まれるはずであるが、日本では直腸の一部として扱われている。 Ra:第二仙椎下縁〜腹膜反転部までの範... -
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肝不全でフィッシャー比が低下する理由
劇症肝炎あるいは肝硬変などの慢性肝疾患によって肝臓の機能が低下し、肝不全の状態になるとアミノ酸の分解が正常に行えなくなる。 アミノ酸には 芳香族アミノ酸(トリプトファン、フェニルアラニン、チロシンなど)と 分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン... -
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劇症肝炎でPT延長する理由
劇症肝炎とは肝臓が急激に機能低下を生じて、発症から8週間以内に肝性昏睡度二度以上の肝性脳症をきたし、更にプロトロンビン時間40%以下を示すものと定義される。 原因はB型肝炎ウィルスによるものが多い。 症状としては発熱、黄疸、浮腫などに加え... -
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肝性脳症でラクツロースを用いる理由
肝性脳症とは高度の肝臓障害により意識障害、羽ばたき振戦などを始めとした様々な精神症状をきたす症候群である。劇症肝炎や肝硬変が主な原因。 【肝性脳症の病態】 肝機能が正常であれば、腸管から吸収された毒素を解毒することができるが、肝機能が低... -
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胃静脈瘤にBRTOが用いられるのはなぜか
BRTOとはballoon occluded retrograde transvenous obliteration(バルーン下逆行性経静脈的塞栓術)のことである。 食道静脈瘤に対しては内視鏡的硬化療法が有効であるが、胃静脈瘤に対しては中々効果が上がらなかった。そこで開発されたのがBRTOという... -
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腸重積におけるターゲットサインとは何か
■腸重積について復習 腸重積とは口側の腸管が肛門側の腸管に入り込んで嵌頓する病態であり、内腔を閉塞して腸管の血行障害を引き起こしてしまう。生後4,5ヶ月〜1歳ほどの小児に好発する。 症状としては腹痛・嘔吐・血便が代表的。 腹痛は非常に強く、激... -
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肝硬変で低ナトリウムになる機序
肝硬変で低ナトリウムになる機序 肝硬変ではアルブミンの産生能が低下することにより膠質浸透圧が低下し、水が間質に移動する。それにより血管内が脱水状態となり、代償的に水を血管内に増やそうとする機構が働く。 一つはアルドステロンによる遠位尿細... -
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逆流性食道炎に抗コリン薬禁忌の理由
逆流性食道炎に抗コリン薬禁忌の理由 胃食道逆流症とは酸性である胃の内容物が食道に逆流することで食道を傷つけてしまう疾患である。治療法としては胃酸の分泌を抑える薬剤であるプロトンポンプインヒビターやヒスタミンH2受容体拮抗薬などが用いられる。...