耳鼻咽喉科– category –
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味覚障害の鑑別
・「最近味がわからない…」という患者に遭遇したら… 鑑別としては ・亜鉛欠乏、薬剤性、感冒後(COVID19罹患後)、口腔内の問題(歯周病・舌炎、唾液分泌異常)、特発性などが考えられる。 診るポイント ・感冒後ではないか ・口腔内に問題はないか(歯... -
主訴:顔面の痺れの対応
顔面のしびれを訴える患者に遭遇したら… 鑑別:ベル麻痺、hunt症候群、代謝性(DM、甲状腺、膠原病等)、中枢性(脳梗塞、脳卒中、SAH、ワレンベルグ、脳腫瘍等) ・末梢性顔面神経麻痺か中枢性顔面神経麻痺か考える →中枢性ならしわ寄せができる。... -
めまい患者における眼振のミカタ
・救急外来受診患者の診察で重要なのは中枢性か末梢性かの鑑別。 ・眼振の見方には3つのパターンがある。 1、注視下 2、非注視下(Frenzel眼鏡着用下で、頭位眼振を見る) 3、電気眼振計(ENG)記録による検査 この中で、救急外来受診患者に行う... -
溶連菌感染症のWBCやCRPは細菌によって異なるという話
細菌性扁桃炎患者のWBCはいつもとても高いイメージがあったが、調べてみると扁桃炎の中でも溶連菌感染症のときは他の細菌感染に比べて有意に白血球数が上昇するという報告がある模様。CRPに関しても一部の細菌に比べて溶連菌は高いことが示されている。な... -
咽頭・扁桃の白苔は細菌感染を示唆するものではないという話
咽頭や扁桃を観察して白苔の付着があるとウィルス感染ではなく細菌感染を示唆するとしばしば誤解されるが、実際には溶連菌感染症以外にも伝染性単核球症やアデノウィルス、インフルエンザA型などでも白苔の付着は普通に認められる。むしろ、伝染性単核球症... -
ペニシリン不応の扁桃炎でマクロライドを使う理由
急性扁桃炎は主に溶連菌感染症により発症することが知られており、長い間ペニシリンが治療のゴールドスタンダードとして用いられてきたが、近年ペニシリンの効かないケースもしばしば報告されている。 ペニシリン不応の理由として次のような理由が挙げられ... -
溶連菌感染症とEBVの白苔の形状の違い
溶連菌感染症と伝染性単核球症(EBV)の白苔形成の違い 両疾患とも咽頭痛、発熱、頸部リンパ節腫大を呈すため身体所見だけではなかなか鑑別が難しいことがある。実際には採血で白血球分画(好中球優位なら溶連菌感染症、リンパ球優位なら伝染性単核球症... -
繰り返す扁桃炎の扁桃摘出の基準
溶連菌感染症は様々な要因により患者によっては何度も繰り返してしまう。 単回であれば抗菌薬処方による保存的治療であるが、頻繁に繰り返すと扁桃摘出という外科的な治療も選択肢として入る。手術の基準として扁桃炎インデックスなるものがある。 扁桃... -
扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い
扁桃周囲炎と扁桃周囲膿瘍の違い(区別する理由) 扁桃周囲炎とは溶連菌などによって起こる細菌性扁桃炎がひどくなり、口蓋扁桃の周りの膜を破って喉の奥にまで広がっている状態。 扁桃周囲膿瘍では細菌が更に増殖して扁桃被膜と咽頭筋の間に膿瘍を形成... -
「溶連菌感染症はうつりますか?」
「溶連菌感染症はうつりますか?」という質問に対して 溶連菌感染症の症状は主に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹などで咳嗽や喀痰、鼻水は少ないので飛沫感染しにくいと考えられているが、マスクを着用しないでいると日常生活でしうる軽い咳などで溶連...