静脈洞血栓症メモ

・静脈洞血栓症について

静脈洞が血栓で閉塞することにより、血液が頭蓋外に出て行きにくくなり、頭蓋内圧亢進、静脈性脳梗塞、脳出血、けいれんなどを起こす。

脳卒中の0.5〜1%程度と稀ではあるが若年者で起こり、頭痛は90%に生じる。

5%以上に頭痛を伴わないとされ、他の症状として局所的な神経学的異常、痙攣、意識変容を認めることがある

進行すれば麻痺が出るのでわかりやすいが、そこで診断するのは遅い。若年者における急性の精神症状などの鑑別として静脈洞血栓症は大事。

原因としては①血流の停滞,②静脈壁の障害,③血液凝固能の亢進が種々に絡み合う.

いくつかの画像紹介

引用:https://www.kanden-hsp.jp/medical/departments/critical_care/journal_202107_2.html

画像その2

引用:https://www.kanden-hsp.jp/medical/departments/critical_care/journal_202107_2.html

・単純CTで血栓が見える。静脈洞や皮質静脈の中の血栓が高吸収値を示すhyperdense vein。大脳鎌よりも高吸収であれば静脈洞血栓症を疑う。しかし静脈洞血栓症の半数程度はCT正常であり、CTで疾患の除外はできない。また、年者では生理的に静脈洞が高吸収に見える場合もあり判断が難しい場合もある

・造影CTでは、静脈の造影効果が欠損する。empty deltaあるいはempty triangleが有名。三角形の増強効果の中央に造影欠損を伴う像となる。特異度は高いが30%程度にしか認められない。

・脳静脈洞に高吸収域が疑われた場合,他の静脈洞あるいは動脈のdensityと比較し,高吸収であると判断すると脳静脈洞血栓症を強く疑う。

・他の検査所見としてはDダイマー上昇が特徴的(90%の症例で上昇する)。一方で10%は正常であることを考えるとCTでと同様に否定できるものではない。

また追記予定です。

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