髄膜炎患者に頭部CTは必要なのか
発熱と頭痛を主訴に来院して項部硬直が陽性の場合、髄膜炎を強く疑い腰椎穿刺をして確定診断をすることになるが、髄膜炎患者には頭部CTが必要なのだろうか。
答えはYESで、腰椎穿刺をする前に頭部CTを取って頭蓋内圧を亢進させる病態が他にないかを確認する必要がある。
腰椎穿刺禁忌のおさらい
・頭蓋内圧亢進
・出血傾向
・穿刺部位に感染ある
・全身状態不良
・腰椎に脊髄動静脈奇形ある場合
頭蓋内圧が亢進していると、頭痛、嘔吐、クッシング徴候(血圧上昇、脈拍低下)、視力障害、外転神経麻痺などが生じる。頭蓋内圧亢進の原因としては脳腫瘍やくも膜下出血、脳出血なども鑑別に挙がり、髄膜炎以外の疾患を否定するという意味で頭部CTは取っておいたほうが無難。例えばくも膜下出血により頭痛と発熱を呈していて、頭蓋内圧が亢進している患者を髄膜炎と思い込んで腰椎穿刺をしてしまうと完全な禁忌になってしまう。
尚、頭部CTの所見だけで頭蓋内圧が亢進しているかどうかはわからない。
「頭部CTで頭蓋内圧亢進を否定」なんて言われたりするが、それはあくまで頭蓋内圧を亢進させうる脳出血や脳腫瘍などの病変を否定するという意味である。頭蓋内圧亢進に特異的なCT所見というのは存在しない。
が、頭部CTをとって異常がないから頭蓋内圧が亢進していないとも言えないというやっかいな報告もある。→Lumbar puncture and brain herniation in acute bacterial meningitis: a review. – PubMed – NCBI
また追記更新します。
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