髄膜炎に対してkernig徴候はどの程度有用か

Kernig徴候とは髄膜刺激徴候に対するスクリーニング検査。

 

検査の手順:

 1,患者の片側の股関節、膝関節を共に90度に屈曲してもらう。

2、股関節を90度に屈曲させたまま、患者の大腿伸側を掴んで膝関節をゆっくり進展させていく。

3,膝関節が135度以上になるように伸展させ、痛みや抵抗で135度以上にならない場合はKernig徴候陽性となる。

(健常者であれば135度以上もスムーズに伸びる)

 

ケルニッヒ徴候の機序

股関節屈曲+膝を135度以上に伸展させる体位(=ケルニッヒ徴候の誘発位)は坐骨神経を引っ張り、結果的に髄膜まで貫通している脊髄神経を伸展させてしまう状態であるので、髄膜で炎症が起きていた場合は自然な防御反応が起こる。

 

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http://chousei58.com/?p=70079

 

【感度と特異度】

Accuracy of physical signs for detecting meningitis: a hospital-based diagnostic accuracy study. – PubMed – NCBIによれば

kernig徴候の髄膜炎における感度は14%,特異度は92%,陽性尤度比は1.8、陰性尤度比は0.9とのこと。感度が低いのでスクリーニングには使えないが、特異度は高いので疑う患者には有用な身体診察である。

 

おまけ:

【ケルニッヒ徴候の動画@You Tube】

 

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