下肢の骨折などでは筋肉の短縮しようとする力が強いため、多くの場合で骨折部は短縮転位していて徒手で力いっぱい引っ張っても整復できない。そこで牽引という方法を用いる。徒手整復が一気に力を加えて転位を直すのに対して、牽引は持続的に引っ張ることによりゆるやかに転位をなおすという違いがある。
直達牽引と介達牽引の違い
直達牽引は骨に直接鋼線などを入れて行う。(痛そうですが…)
例えば脛・腓骨骨折の場合は、筋力が強いと骨折部が転移してしまうのでキルシュナー鋼線を踵の骨に通して牽引する。牽引力の点では非常に勝っているこの方法だが、侵襲性が高く痛みも伴うので末梢神経や血管を誤って損傷しないように細心の注意が必要。
一方、介達牽引は直接骨に牽引力を作用させるのではなく、包帯やGlisson係蹄のような特殊な牽引バンドを用いて皮膚の上から牽引する。
すごく簡単にまとめると
直達牽引=骨を直接引っ張る
介達牽引=皮膚の上から引っ張る
といった所でしょうか。
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