A-aDO2の基準値は加齢とともに上がるという話

◯AaDO2とは

A-aDO2とは肺胞気酸素分圧(PAO2)と動脈血酸素分圧(PaO2)の差のことである。

これらの値は動脈血液ガス分析で測定される。正常なガス交換の場合A-aDO2が0になることが理想であるが、実際は生理的な換気血流不均等やシャントが存在するため、正常でもA-aDO2は5~15ほどになる。

詳しくは→A-aDO2開大の原因と計算式 – とある研修医の雑記帳を参照

 

 

◯高齢者では?

高齢者ではAaDO2が5−15に収まらなくても異常とはならない。

 

・「ハリソン内科学」によると

室内気吸入時の健常者ではAaDO2ha通常15Torr以下であるが、この値は加齢に従って増大し,30Torrくらいになりうるとされている。

 

・「竜馬先生の血液ガス白熱講義150分」によると

A-aDO2の基準値≦年齢✕0.3

と説明されている。例えば70歳であればAaDO2が20ぐらいまでは正常でもありうる。

 

・非喫煙者1838人を対象にした試験(by日本呼吸器学会肺生理専門委員会)によると

高齢になるほどAaDO2が増大する傾向が認められたという。

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グラフ参考:http://www.jrs.or.jp/quicklink/guidelines/guideline/nopass_pdf/spirogram.pdf

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