AKIではタンパク制限を行ってはならない

AKIやCKDの急性病態においてはBUNが上昇するという理由でタンパク質投与を控えてはならない。

侵襲が強いと異化が亢進してしまうが、タンパク質投与にて抑制が可能である。

ESPENガイドラインでは1.5g/kg IBW/dayぐらいが現実的に求められる(腎代替療法の場合は1.7g/kg IBW/dayなど喪失する分を加味して少し多めにする)エネルギーは25-30kcal/kg実体重/dayが推奨されている。

また頻回の透析またはCRRT施行時は、タンパク投与量は2.5g/kg実体重/dayが推奨されている。

一般的に腎不全では低たんぱく食が推奨されるが、タンパク質が糸球体に負担をかけてしまうからである。しかし、それは血液透析を遅らせるための目的であり、AKIなどの状況では救命目的に十分なタンパク投与が必要である。

→NPC/N比が低い栄養剤を選択する。

💡AKIでBUNが著しく高いとき

しかし、BUNが尿毒症の目安である80mg/dLを超えるような場合にはタンパク質の増量を見合わせる。

💡侵襲の強いときはエネルギー少なめ

一方で、侵襲の強いときは高エネルギーを投与しても窒素出納が改善されないことが報告されている。侵襲が初期はエネルギーは少なめ、蛋白は多めにして、状態が改善すれば3-7日以内に25 kcal /kg IBW/dayを目標とする。

参考:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/51/2/51_153/_pdf

https://www.yodosha.co.jp/rnote/drill_festival/q25.html

栄養療法はじめの一歩

レジデントノート「栄養療法がわかる!できる!」

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