抗MRSA薬について
トラフ値測定、TDMが必要。有害事象として腎障害、聴力障害、血小板減少、レッドマン症候群などがある(1時間以上かけて投与)(ヒスタミン遊離作用による副作用)
・eGFR30以下では適応とならない
・MICが2μg/mLでは治療効果が落ちるとの報告もあり、感受性がSであっても要注意。別の薬剤を検討。
・TAZ/PIPCとの併用で腎機能障害を誘発する可能性がある。CFPMと比較してTAZ/PIPCの併用ではAKIリスクが4倍と言われている。
組織移行性が良好。肺炎や皮膚・軟部組織感染症ではバンコマイシンよりも臨床効果が有意に高い。
1日2回投与。TDM不要
腎機能による容量調節が不要。
副作用で骨髄抑制による血小板減少に注意。14日間以上の長期投与で血小板減少の頻度増加。
バンコマイシンと同等の効果
TDMが必要
バンコマイシンよりも良好な組織移行性が期待できるが髄液への移行は不良。
肺炎に用いることができないので要注意。
菌血症、感染性心内膜炎ではバンコマイシンよりエビデンスが高い皮膚や骨への移行良好だが、骨髄への移行は不良肺で不活化されるため肺炎には無効
TDM不要抗バイオフィルム効果あり
安全性は比較的高い。副作用:CK上昇(横紋筋融解)、好酸球上昇
【TIPS】
★その他にもMRSAに効く薬としてST合剤、MINO、CLDMなどがあり、経口薬であるのでときに使われる。
★MRSAには市中型MRSA、院内感染型MRSA、家畜関連型MRSAなどに分類されるが、市中型MRSAではMINOやST合剤に感受性がある場合が多いとされている。
市中型MRSAは医療施設への入院歴がなく、手術・カテーテル留置などの明らかな感染リスクのない患者に見られることが多い。
→では、院内感染型のMRSAが疑われるときにMINOやST合剤は使ってよいのか?
その答えは難しいが、軽い感染症であればMINOやST合剤などを使って経過を見るのも一つの選択肢と思われるが、患者が重篤な状態であればバンコマイシン等を躊躇せずに使うべきとも思われる。
ガイドラインでの推奨
また追記します。
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