スピキュラ(supicula)と胸膜陥入像の違い
胸部CTにおいて肺野に結節影や腫瘤影に次の所見があれば悪性腫瘍を示唆する
・スピキュラ(棘)
・胸膜陥入像
・全周性に辺縁不整
◯スピキュラ
スピキュラ(spicula)とは日本語で言うと棘。腫瘤表面から周りに出ているトゲトゲした構造物であり、病理学的には病変辺縁の線維化、周囲の結合組織やリンパ管への癌組織の浸潤を意味していると言われている。尚、棘が胸膜まで到達しないものをspiculaと呼ぶが、胸膜まで到達するものは胸膜陥入像と別の用語で定義される。
したがって原発性肺癌でよく見られる所見であり以前はcorona malignaと呼ばれていたようであるが、現在では良性腫瘍でもしばしば見られることから単にspicula(棘)と呼ばれている。
【スピキュラの一例】
The Radiology Assistant : Solitary pulmonary nodule: benign versus malignant
◯胸膜陥入像
胸膜陥入像とは結節影が胸膜を引っ張り込んだもの。癌の中心部に瘢痕巣が形成され線維化による収縮傾向が生じると、胸膜を引っ張って胸膜陥入像や周辺の気管支血管の収束像が見られるようになる。原発性肺癌のおよそ半数に見られる。
【胸膜陥入像の一例】
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